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「天使突抜」って何て読む? 秀吉が由来のユニーク地名(産経新聞)

【検定1級記者が語る京都】

 前回の太秦(うずまさ)に続いて、京都のユニーク地名を紹介する。

 下京区の西洞院松原近くの「天使突抜」。てんしつきぬけ-と読む。天使というと、西洋の宗教画によく登場する、あの羽を持った姿をほうふつとさせる。それを突き抜けるのだから、初めて聞いたとき少々オカルトっぽいことを想像してしまった。

 だが、それは大きな間違い。近くの五條天神社が別名、天使社と呼ばれていることに由来する。豊臣秀吉が天使社の鎮守の森を貫く南北道を造ったことから、天使突抜といわれるようになったという。

 ちなみに五條天神社は「天神さん」ではない。祭神は薬の神様、スクナヒコノミコト(少名彦命)。厄除けの神として知られ、2月の節分祭では国内最古といわれる宝船図が配られる。

 地名の話とは離れるが、源義経と弁慶が初めて出会ったのは五條天神社近くとする説がある。

 天神社の北端を東西に走る松原通は平安京の五条通に相当する。そして南北道の西洞院通にはかつて川が流れ、両通りの交差点には橋が架かっていた。このためか、天神社に参拝した弁慶がこの橋で…といったことが、14世紀ごろに書かれた物語「義経記」に紹介されている。

 義経と弁慶の出会いの場といえば、鴨川にかかる五條大橋と思っていただけに興味深い話だ。

 地名も由来がおもしろければ、その土地の歴史をより身近に感じることができる。そういえば、四条烏丸近くの産経新聞京都総局の所在地名が二帖半敷(にじょうはんじき)町というのもユニーク。

 五条寺という寺院を2人の弟子に分けたことからこの地名がついたという。五条を畳五帖になぞらえているところが、いかにも京都らしい。約15年前、京都に赴任したとき以来のお付き合いだが、まさか京都検定のテキストの中で再会しようとは。

 このほか京都総局のすぐ東、四条東洞院の少し南にある「元悪王子町」。素行の悪い王子が更生し、今は立派な王子に-といった話が出てきそうだが、祇園祭の起源と関係あるスサノオノミコトの荒魂を祭る悪王子社があったところ。

 今は小さなほこらが建っているのみ。興味のある人はぜひ。(園田和洋)

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